イギリスやアメリカの大学、大学院留学では「IELTS7.0」というスコアが求められるケースがあります。これはどのくらいの難易度・レベルなのでしょうか。英検など他の試験と比較して「IELTS7.0」の難易度をわかりやすく説明します。さらに「IELTS7.0」を取るための具体的な対策も合わせて詳しく解説していきます。
今回は留学経験なしでIELTS 8.0、TOEIC 975点を大学在学中に取得し2023年秋から英・ノッティンガム大学大学院でコンピューターサイエンスを専攻予定の「Makoto先生」にIELTS7.0を取得するための勉強法や学習時間をお聞きしました。
Makoto先生のIELTSスコア
IELTS(International English Language Testing System)は、米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、および英国を含む英語圏の国々に留学、就労または移住を希望する人々の英語力を測定する、ハイステークスの英語試験です。
IELTSは、4つの英語スキル(書く、読む、聞く、話す)をはかるテストで、IELTSアカデミックとIELTSジェネラル・トレーニングの2つのモジュール(タイプ)があります。
IELTSってどういう試験?
IELTS(International English Language Testing System)はブリティッシュカウンシルというイギリスの国際文化交流機関が提供している英語試験です。
IELTSは全国16都市で実施しており、東京、大阪ではほぼ毎週実施しております。実施会場は試験日により異なります。※詳しくは公式サイトをご参照ください。
IELTS(アイエルツ)は、英語4技能を総合的に評価する英語能力運用試験で、国際的に認知度が高く、英語評価の専門家により開発されました。留学・就職などで英語力を証明する試験として世界140ヵ国以上、10,000以上の機関に採用されており、世界で最も受験者数が多い試験です。
私の印象ではリーディングは難易度はそこまで高くないと思います(東京大学や京都大学など難関大学の英語入試の方が難しい印象です)
リスニングは最後のセクション4(専門的な用語)、セクション1(日常会話=うっかりミスが発生しやすい)はIELTS対策をしっかりすることで、なんとかなると思います。
日本人が受験する場合はライティング/スピーキング対策が難しいと思います。
IELTSのスコアはどんなことに活かせる?
大学入試で活かせる
大学入試で「総合型選抜(旧・AO入試)」の入学枠が増えています。「総合型選抜」では、受験の際に点数を加点してくれたり、英語だけで受験できる大学や学科などもあります。
具体的に言うと、一定基準のIELTSスコアがあると、
- 出願資格の獲得(語学資格を持っていないと出願できない倍率の低い方式があります)
など、英語ができることを証明できる受験生が圧倒的に優遇されているのです。
海外留学で活かせる
留学用の英語試験といえばIELTSかTOEFLとなります。
語学学校や大学・大学院の入学基準には「IELTS◯点以上」「TOEFL◯点以上」と定められていることがほとんどで、基準を満たした証明書を願書と一緒に提出する必要があります。
求められる試験の種類やスコアは各教育機関によって異なるので、出願先が定める試験を受験するようにしましょう。
私は大学時代に交換留学を目指したことがありました。
交換留学ではIELTSが受験資格として定められていましたがIELTS for UKVI ペーパー版の証明書を提出する必要がありました。
出願先が定める試験を確認して、しっかり準備しましょう。
IELTS7.0のレベルは?
IELTS公式では、IELTS7.0を「優秀なユーザー」と定義しており、「不正確さや不適切さが見られ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言語遣いに概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。」レベルとしています。
他の試験では
- 英検:1級レベル
- TOEFLiBT:95以上
と同程度といわれています。
IELTSでは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能の実力を試され、9.0を最高とし、0.5刻みで4技能のスコアがそれぞれ付与されます。このスコアの事を「バンドスコア」と言います。
この4技能の平均値から割り出した総合点のことを「Overall(オーバーオール)」スコアと言います。
ただOverallで7.0が取れれば良い場合と、それぞれの技能で全て7.0以上をとる場合難易度はかなり変わります。
私もListeningやReadingは8.5なのでOverallで8.0を取得できましたがWritingは6.5なので全て7.0だと私も達成できていないレベルとなります。
IELTSリーディングで7.0を取得する難易度と対策
アカデミックのリーディングで7.0を取るためには、全40問中、30〜32問の正答数が必要です。パーセンテージでいうと75%の正答数が必要です。
※ジェネラルは全40問中、34〜35問の正答数が必要です。
日本人の場合、リーディングは得意な方が多いです。実際、国内難関大学の英語受験の方がIELTSのリーディングの問題よりも難しいと感じます。
はじめてIELTSを受験した時のスコアです。ライティングは5.5でしたがリーディングは8.5でした。
逆にスピーキングやライティングを不得意とする方も多いのでOverallで7.0を目指す場合はリーディングで高いバンドスコアを取得しておきたいところです。
IELTSリーディングでは下記の出題がありますが
- TRUE/FALSE/NOT GIVEN(YES/NO/NOT GIVEN)
- 穴埋め問題
- 不完全な文章を完成させる問題
- 4択問題(A~Dから選択)
- 段落にheadings(タイトル)をつける問題
- 文章と段落をマッチさせる問題
一番点数が稼ぎやすい『穴埋め問題』でしっかりと得点を稼ぐ必要があります。
リーディングは、Passage1から徐々に問題のレベルが高くなっていきます。つまり、比較的簡単な前半の問題でどれだけミスをせずに得点を稼げるか、がカギとなります。
ただ必ずしも難易度順に問題が並んでいるわけではありません。
7.0を目指す場合は、おそらく全ての問題を解く時間はないケースが多いと思われます。限られた時間で、正解をできるだけ増やすには適切な解き順で解く必要があります。
IELTS5.0~6.0くらいまでは中学、高校の英語を完璧にすることがリーディング対策としては有効だと思います。
私は「英語の構文150」「英語長文問題精講」「Reader’s Ark」などの参考書を使用していました。IELTS5.0~6.5くらいまでは「英語の構文150」や高校の文法本などで文法や構文を固めたあと、「英語長文問題精講」に取り組むことがおすすめです。ちなみにIELTS7.0以上のスコアを狙う場合において「Reader’s Ark」がおすすめです。
またIELTS7.0以上を目指す方にお薦めなのがBBC、エコノミストなどのネット記事を精読することです。更にThe Guardian(BBC、エコノミストよりも単語や小難しい内容の記事が多いです)
IELTSリスニングで7.0を取得する難易度と対策
リスニングで7.0を取るためには、全40問中、30〜31問の正答数が必要です。パーセンテージで表すと、リーディング同様、75%の正答数になります。
また、アカデミックでもジェネラルでもリスニングの内容は同じです。
私はリスニング対策としてYouTubeやPodcastを聞いていました。
私がチェックしていたYouTubeチャンネル
アンダーグラウンドな話題、社会問題
さまざまなトピックや疑問を説明する動画
いろいろな専門家が素朴な疑問に答える
定番ですね「TED Talk」です。
世界中の新しい建築や都市計画について
Podcastも聞いていました!
いろんな旬な話題の人との対話、ディスカッション(テック系、社会問題、哲学)
旬な話題についての説明(主に科学、テック系)
おすすめのリスニング対策本
Seeing the World through the News
IELTSスピーキングで7.0を取得する難易度と対策
スピーキングで7.0を目指すためには、ある程度のテクニックとトピック慣れが必須になってきます。
私も初受験時は6.5でしたが、しっかり対策をしたことで2回目の受験では7.5を取得することが出来ました。
初受験
2回目
スピーキングは数値化することはできない技能ですが『採点基準』が存在します。
- 流暢さと繋ぎ(文と文をうまく繋げているか)
- 単語(トピックに回答するための十分なボキャブラリーがあるかどうか)
- 文法(使っている文法の幅広さと正確さ)
- 発音
スピーキングで7.0以上を取るには、流暢性が最も重要です。
まずは、質問に対して詰まることなく答えられる流暢性を身につけ、その上で7.0以上を取得するには、どのトピックにも対応できる『慣れ』が必要です。
おすすめのサービス
料金・プラン | 通常コース:12,000円 試験対策コース:16,500円 英検®対策コース:16,500円 |
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講師の国籍 | 世界60ヵ国以上 |
目的 | 初心者, 日常英会話, ビジネス, 資格 |
特徴 | 最大のポイントは、試験対策コースです。TOEFLでもIELTSでも、ライティング・スピーキングは得点が伸び悩む科目なので、専門の講師から4技能を学べるのは最短で目標点数を達成する上でおすすめです。 |
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IELTSライティングで7.0を取得する難易度と対策
IELTSライティングではアカデミックライティングのルールをマスターする必要があります。
その上でBand Descriptorと呼ばれる採点基準によって評価されるので採点基準に沿った作文をおこなう必要があります。
- 完成度(トピックへの関連性)
- 首尾一貫性(話に矛盾がないか、適切なリンキングフレーズをうまく使えているか)
- 単語(トピックに回答するための十分なボキャブラリーがあるかどうか)
- 文法(使っている文法の幅広さと正確さ)
私も1番苦労したのがライティングです。
はじめてIELTSを受験した時のスコアは5.5で2回目の受験で6.5でした。
ライティングでは7.0を取得できていませんが、ライティングの出題パターンごとの書き方(ストラクチャーと呼びます)を把握する必要があります。
その上で、ライティングは添削してもらうことが重要です。
お薦めのサービス
とにかくライティングでは添削してもらうことが重要です。
ライティング対策としてもベストティーチャー(Best Teacher)はお薦めです。
他にも
などもIELTS向けのサービスがあります。
IELTS7.0のまとめ
IELTS公式では、IELTS7.0を「優秀なユーザー」と定義しており、「不正確さや不適切さが見られ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言語遣いに概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。」レベルとしています。
シカゴ大学、コロンビア大学(アメリカ)、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学(イギリス)、メルボルン大学(オーストラリア)など世界の難関大学も、IELTS7.0を入学基準としています。
また大学院でもマサチューセッツ工科大学院、シカゴ大学院、コロンビア大学院(アメリカ)、ケンブリッジ大学院(イギリス)なども、IELTS7.0を入学基準としています。
それだけIELTS7.0は達成するのが難しい分、取得できれば強みになるスコアとなっています。
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